この記事では、Account Thinking.netの造語「未知の把握」について紹介します。
この記事でわかること
1.「未知の把握」とは、「自分が知らない何か」を把握することです。
2.未知は「知らないということさえ知らない領域」あるいは「知っていると思い込んでいる領域」から掘り出します。
ことばの概要
10秒解説
未知の把握とは、「自分が知らない何か」を見出すことです。
未知は「自分が知らないということさえ知らない領域」あるいは「自分が知っていると思い込んでいる領域」にあります。
「何かある・・・!」
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何かあるのです。
それが何か、わたしたちには認識も、表現も、理解もできませんけれども。
この何かには、数学にちなんで「X」と名付けるのが慣例です。
「知」の全体像

| 知 | 人間が、知りうること |
| 既知 | 知っているので、そのとおりに「知っている」と自覚していること |
| 未知 | 知らないので、そのとおりに「知らない」と自覚していること |
| 盲知 | 知っているのに、知っているという自覚がないこと |
| 無知 | 知らないのに、知らないという自覚がないこと |
| 不知 | 人間には、知りようがないこと |
ことばの用例
駆け足引き継ぎによる「未知の把握」
前任者から仕事を駆け足で引き継ぐとき、わたしはいつも「何が分からないか分からない」状態になります。
しかし、しばらく仕事をこなせば「何を分かっていないか」がだいたい見えてきます。
何が分からないかを把握する。
これを未知の把握と呼ぶわけだ。
新分野に進出する時の「未知の把握」
わたしが新たな学術分野に進出するとき、わたしはいつも「未知の把握」を大切にします。
初学者が、何に、どこで、どのようにつまづくのか。
それが分かるのは初学者だけだからだと考えるからです。
いちどその分野に精通してしまうと、もう「つまづきポイント」は分かりません。
初学者は未知の把握を経て、その分野に精通していくのだ。
ことばの歴史・背景
元ネタ
「未知の把握」は、古代ギリシアの哲学者ソクラテス・プラトン師弟の仕事に閃きを得ています。
以下のエピソードは、すべてわたしの想像です。
ソクラテスの野望
ソクラテスは、古代ギリシアの、斜陽の強国アテナイで活躍した哲人です。
それまでのアテナイは、やりたい放題をしていたらしい。
それが敗戦の理由だったのかもしれんな。
ソクラテスは、若い時期を最強時代のアテナイで過ごしました。
若きソクラテスにとっては、最強としての傲慢が歯がゆかったのかもしれません。
そこで・・・
なお哲人王思想とは、全てを知る大賢者が王となるべきという思想です。
ソクラテスの探究
彼は考えます。

哲人王(全てを知る大賢者)への第一歩として、抽象概念「善美なるもの」を明らかにする。
誰にも論破できない、最強の善美なるものを知り、民衆に説き、人望を得るのだ!!!!
しかし、どれほど考えても善美なるものを定義できず(アポリア)、彼の野望は潰えました。
晩年のソクラテスは自暴自棄に陥っていたようです。
各地の有力者たちに喧嘩を売って回るなど、晩年の彼の行動はちょっとおかしいです。
ソクラテスの感じた違和感
しかし、彼はこれまでの抽象論の中に何かあることを感じ取っていたのではないでしょうか。

結局「善美なるもの」とは何か、ぼくには分からなかった。
でも、これまで重ねてきた議論の中に、何かある。
・・それが何か、ぼくには認識も、表現も、理解もできないけれど。
弟子・プラトンの発見
プラトンは、師匠の感じた何かにイデアという名前を与えました。
プラトンは、師ソクラテスが「何を知らなかったのか」を発見しました。
彼は、未知から「イデア」の概念を把握したのです。
わたしの気付き
わたしは、ソクラテスが各地の有力者たちに喧嘩を売って回るエピソードを読んで、
なぜ彼は「あなたの理想の政治体制とは、どんなものですか?」と聞かないのだろう??
なぜ彼は「あなたの理想と私の理想を比較して、互いの良い所を挙げてみよう。」と考えないのだろう??
と疑問に思ったのです。
まとめ
この記事でわかること
1.「未知の把握」とは、「自分が知らない何か」を把握することです。
2.未知は「知らないということさえ知らない領域」あるいは「知っていると思い込んでいる領域」から掘り出します。




