文献紹介
(1) 書籍 日本社会のしくみ
日本社会のしくみー雇用・教育・福祉の歴史社会学-は、社会学者小熊英二による書籍です。
ダイジェスト
1940年体制(日本型社会主義)
1940年体制は、1940(昭和15)年頃に確立されたとされる、日本の特殊な国家体制です。
日本型社会主義とも呼ばれますにゃ。
1940年体制は、元官僚・経済学者野口悠紀雄の造語だ。
まだ確立された名称・定義はないみたいだな。
-

日本型社会主義 | Wikipedia
Wikipedia、2025.12.19閲覧
なぜわたしたちの給料が上がらないのか(なぜ昭和時代は給料が上がったのか)。
年金は大丈夫? なぜNISAが推奨されるの?
「日本のほんとうの姿」を学ぶうえで、是非とも読んでおきたい1冊です。
- 日本型雇用システム(年功序列・終身雇用・メンバーシップ型雇用)
- 日本型金融システム(高度経済成長を裏で支えた金融規制)
- 日本型社会システム(専業主婦を生み育てた社会福祉システム)
1940年体制の教科書・そのほか
こちらの文献もぜひ読んでおきましょう。
引用部分を詳しく読もう!
人間の価値
しかし当時の労働省の労働統計調査局長だった金子美雄は、部下の楠田丘にこう言ったという。
(中略)だから、仕事で決める賃金は日本には無理だよ。
〔日本に向いているのは〕その人の価値で決める賃金だ。そこで楠田が「じゃあ、人間の価値はどうやって決めるんですか」といったら、
引用元:小熊英二、日本社会のしくみ-雇用・教育・福祉の歴史社会学- 第2章「日本の働き方、世界の働き方」、pp135/589/強調および改行は引用者による
「それはこれからの労働省の大きな課題だ」と金子は答えたという。
「身分給」の概念
またそうである以上、彼らの俸級は、職務の対価ではなかった。
引用元:小熊英二、日本社会のしくみ-雇用・教育・福祉の歴史社会学-、pp234/589/強調および改行は引用者による
彼らの俸級は、どの職務に就いているかではなく、基本的にはどの官等かで決まっていたのである。
1988年から日経連(日本経営者団体連盟)の常務理事を務めた成瀬健生(1933年生まれ)は、2010年にこう述べていた。
「兵隊の給料は階級で決まるのであって、今役割を与えられているオペレーションで決まるのではないんだと。
引用元:小熊英二、日本社会のしくみ-雇用・教育・福祉の歴史社会学-、pp243/589/強調および改行は引用者による
職能資格というのはそういうものだ、それ〔資格等級〕で給料が決まるんだと」。
「生活給」の概念
生存に必要なカロリーという点では、社長の家族と運転手の家族に、差があるはずもない。
引用元:小熊英二、日本社会のしくみ-雇用・教育・福祉の歴史社会学-、pp357/589/強調および改行は引用者による
食べることが最重要だった敗戦後では、能力や職務ではなく、生存を基準にして賃金の差が決まるべきだと考えられたのである。
身分差別の秩序
だが当時の官庁における差別は露骨であり、食堂や屑かごには「高等官専用」のものがあり、高等官の机には緑色の生地が敷かれていた。
引用元:小熊英二、日本社会のしくみ-雇用・教育・福祉の歴史社会学-、pp237/589/強調および改行は引用者による
トイレは入り口こそ一つだったが、その先で高等官専用とそれ以外に分かれていたため、「ズボン」と俗称されていたという。
若い見習生に頭の禿げた職工さんがおこごとを頂戴している姿を見て それは自分の姿のように見えた。
引用元:小熊英二、日本社会のしくみ-雇用・教育・福祉の歴史社会学-、pp260/589/強調および改行は引用者による
そうだ学校出は偉いのだと思う時情けないよりは悔しくてたまらなかった。
英語を学ぶこと、高校に進学することは、差別から脱出するための象徴的行為であっただろう。
引用元:小熊英二、日本社会のしくみ-雇用・教育・福祉の歴史社会学-、pp426/589/強調および改行は引用者による
慣習
慣習とは、人間の行動を規定すると同時に、行動によって形成されるものである。
たとえてえいば、筆跡や歩き方、ペンの持ち方のようなものだ。これらは、生まれた時から遺伝子で決まっているのではなく、日々の行動の蓄積で定着する。
引用元:小熊英二、日本社会のしくみ-雇用・教育・福祉の歴史社会学-、pp7/589/強調および改行は引用者による
だがいったん定着してしまうと、日々の行動を規定するようになり、変えるのはむずかしい。
一物一価の法則
エコノミストの香西泰は、こう述べている。
「一物一価の法則は、合理的な経済行動を考えると自明のことである。ところが賃金すなわち労働力の価格が、売る相手〔大企業か中小企業か〕によって半分にしかならないということは、この初歩的原則をまったく無効にしてしまいかねない」。
こういう問題は、経済学者が敬遠しがちだったとしても不思議はないだろう。
小熊英二、日本社会のしくみ-雇用・教育・福祉の歴史社会学-、第2章、pp111/589
-

一物一価の法則とは?【ことばの解説】
このエピソードを引用している記事はこちら!
この記事を書いた人
この記事を監修した人

監修者募集中!
この記事の監修をして頂ける方を募集しております。
詳しくはサイトポリシー #06被監修ポリシーをご参照ください。


