この記事は未確定稿です。
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文献紹介
(1) 原作 ニコマコス倫理学
ニコマコス倫理学は、古代ギリシアの哲学者アリストテレスによる著作。
アリストテレスの講義ノートを、息子ニコマコスが編纂したものと言われています。

にゃむーん
ダイジェスト
アリストテレス経済論
アリストテレスは「万学の祖」と呼ばれる古代人。
後に経済学となる分野も研究しています。
アリストテレス1アリストテレス経済論は、主に「ニコマコス倫理学」「政治学」に記されます2。
アリストテレスは,流通手段としての貨幣の起源を,
『ニコマコス倫理学』では物々交換における相互的欲望の一致の困難から,
また『政治学』では他の国との交易の便宜から説明していた。
引用元:新村聡、貨幣起源論の系譜-アリストテレスからスミスまで-、岡山大学経済学会雑誌25(3)、1994、264/強調、改行およびリンクは引用者による
周辺知識(学術論文など)
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貨幣起源論の系譜-アリストテレスからスミスまで-
インターネット検索により取得、2025.12.18閲覧
著者を知ろう!
ギリシア三賢について
AccountThinking.netでは、ソクラテス・プラトン・アリストテレスの3人をまとめて「ギリシア三賢」と呼んでいます。
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アリストテレス経済学「等価交換の原則」
ちょっぴり学術!
引用部分(等価交換の原則)を詳しく知りたい
アリストテレスの考える等価交換とは・・・
- 何かを受け取るときは、それに等しい代価を払わないと、取引は成立しない
・・・という思想です。

わるたん

どらん先生
いま、大工がA、履物職人がBで、家がC、サンダルがDであるとしよう。
このとき、大工は履物職人から職人の制作物をもらい、お返しに自分は履物職人に自分がつくった家を分けてあげなければならない。
この場合、比例関係に基づく等しさがはじめに成り立っていてその後に応報が起こるなら、先に述べた比例関係に基づくお返しになっているのである。
しかし、逆にそうなっていない場合には、関係項は等しくないし、両者の絆は維持されない。
なぜなら、片方のつくったものがもう片方のつくったものよりすぐれていることは、よくあることだからである。
したがって両者の生産物同士が、均等化されていなければならなかったのである。
(中略)
貨幣は、この目的に向けて設定されたものであり、なんらかの意味で「中間」になっている。
なぜなら貨幣は、いったい何足のサンダルが家と等しいか、あるいは何足が食物と等しいかというようにすべてのものを測るため、超過も不足も測るからである。
ー第5巻「正義について」-第5章「正義の議論における「応報」という考え方について」ー
引用元:アリストテレス、渡辺邦夫・立花幸司(訳)、ニコマコス倫理学(上)、pp260-261/373/強調および改行は引用者による
比例的な対応給付(アンティドシス)が行われるのは対角線的な組み合わせによる。
Aは大工、Bは靴工、Cは家屋、Dは靴。
この場合、大工は靴工から靴工から靴工の所産を獲得し、それに対する報酬として自分は靴工に自分の所産を給付しなくてはならない。
それゆえ、まず両者の所産の間に比例に即しての均等が与えられ、その上で取引の応報(アンティペポントス)が行なわれることによって、いうところの事態は初めて実現されるだろう。
もしそうでないならば、取引は均等的でなく、維持されもしない。
事実、一方の所産が相手方の所産以上のものであるような事例は充分ありうるのである。
だからして、両者の所産は均等化されることを必要とする。
(中略)
こうした目的のために貨幣は発生したのであって、それは或る意味においての仲介者(メソン=中間者)となる。
事実、貨幣は、あらゆるものを、したがって超過や不足をも計量する。
それは、だから、幾足の靴が一軒の家屋に、ないしは一定量の食品に等しいかということを計量するのである。
ー第5巻「正義」-第5章「「応報的」ということ。交易における正義」ー
引用元:アリストテレス、高田三郎(訳)、ニコマコス倫理学(上)、pp216/642/強調および改行は引用者による
アリストテレスは、等価交換の概念を提唱するために「配分的正義」「矯正的正義」を先に分析してます。
引用先の記事!
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浪費・消費・投資の違いを学ぶ【混ぜるな危険】
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等価交換の原則とは?【ことばの解説】
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アリストテレス経済学「配分的正義」
ちょっぴり学術!
引用部分(配分的正義)を詳しく知りたい
アリストテレスの考える配分的正義とは・・・
- 同じように頑張った人に、異なる配分とすると不満が噴出するね?
- 頑張った人にも頑張らない人にも、同じ配分にすると不満が噴出するね?
- だから、正義とは下図の青線のようなものだよ。

わるたん

どらん先生
そして、当事者のあいだの等しさと、場となる事柄相互の等しさは、同じ等しさでなければならない。
なぜなら、二者のあいだで事柄自体が関係しあうとおりに、現状のこの二者のあいだの関係が成立しているからである。
というのも、もし当事者の両社が互いに等しくなければ、かれらが等しいものをもつことはないだろうが、まさにここから、
等しい人同士なのに等しいものをもたない、あるいは等しく配分されないときとか、
等しくない人同士なのに等しくもつ、ないし等しく配分されるときに、もろもろの争いと不満の訴えが起こってくるのである。
(中略)
したがって正義とは、一種の比例関係にあるものである。
なぜなら、比例関係にあるということは抽象的な数にのみ固有の事柄ではなく、一般的な数に固有の事柄だからである。
というのも、比例関係とは、複数の比のあいだの等しさであり、それゆえ、少なくとも四項のあいだで成り立つ事柄だからである。
ー第5巻「正義について」-第3章「部分的正義の第一の種類:「配分的正義」」ー
引用元:アリストテレス、渡辺邦夫(訳)、立花幸司(訳)、ニコマコス倫理学(上)、pp250/373/強調および改行は引用者による
そして、これらのひとびとのものごととにおいて同一の均等性が存するであろう。
換言すればそこでは、ものごとの間におけると同様の関係がひととひととの間にも存するわけである。
すなわち、もし当事者が均等なひとびとでないならば、彼らは均等なものを取得すべきではないのであって、ここからして、もし均等ならぬものを、ないしは均等ならぬひとびとが均等なものを取得したり配分されたりすることがあれば、そこに闘争や悶着が生ずるのである。
(中略)
してみれば、「正」ということは「比例的」(アナロゴン)ということの一種にほかならない。
(比例的ということは単に抽象的な数に固有ではなく、総じて数的なるもの全般に属している。)
比例(アナロギア)とは、すなわち、比と比との間における均等性であり、それは少なくとも四項からなる。
というのも、比例関係とは、複数の比のあいだの等しさであり、それゆえ、少なくとも四項のあいだで成り立つ事柄だからである。
ー第5巻「正義」-第3章「配分的正義(幾何学的比例に基づく)」ー
引用元:アリストテレス、高田三郎(訳)、ニコマコス倫理学(上)、pp207-208/642/強調および改行は引用者による
グラフを使わないと難解なのです!
しかし、デカルト座標の発明は1000年以上も先だったのです!

どらん先生
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解析思考
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アリストテレス経済学「矯正的正義」
ちょっぴり学術!
引用部分(矯正的正義)を詳しく知りたい
彼の主張は・・・
- 不公平な取引ばかりだと国家が分解してしまうね?
- だから、我々には「釣り銭」という文化があるのだよ。
- 貨幣とは、釣り銭制度を実現させるために創られたのだ。
- したがって、正義とは釣り銭制度=フェア・トレードのことだよ。
フェア・トレードとは何か?
・・・は、また別の話なのです!

どらん先生
実際、たとえば売買や、法が許すほかの取引において、はじめの自分の持ち分よりも多くもつことは得をすることと言われ、当初のじぶんの持ち分より少なくもつことは損をすることと言われている。
その一方で、より多くもなくより少なくもなく、まさに当初自分のものとしてあったものがそのまま同じだけ双方でその人のものになるとき、人々は自分が自分の持ち分をもっており、「損もしていなければ、得もしていない」と言うのである。
したがって、[そのような自発的交換の場面から発想を得た]この矯正的正義は、こうした自発性に反するような係わり合いにおける「利得」と「損失」の中間なのであり、当の係わり合いの前後をつうじて変わらず等しいものをもっているということなのである。
ー第5巻「正義について」-第4章「各人を等しく一人として考える第二の種類:「矯正的正義」」ー
引用元:アリストテレス、渡辺邦夫、立花幸司(訳)、ニコマコス倫理学、pp257/373
たとえば売るとか買うとかその他およそ法の容認のもとに行われる取引において、自分に属する以上を得ることが利得、最初自分に属していたよりも少なくしか得ないのが損失と呼ばれる。
そして、もしこれに対して、過多でも過少でもなくまさしく自分のものそれ自身が与えられた場合には、ひとびとは「自己のものを得た」となし、損だとか得だとかいわないのである。
だからして、「正」とは、ここでは、一方の意に反して生じた事態における或る意味における利得ならびに損失の「中」であり、事前と事後との間に均等を保持するということにほかならない。
ー第5巻「正義」-第4章「矯正的正義(算術的比例に基づく)」ー
引用元:アリストテレス、渡辺邦夫、立花幸司(訳)、ニコマコス倫理学、pp261/373
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公正取引神話”フェアトレード”とは?【ことばの解説】
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アリストテレスの矯正的正義”釣り銭の倫理”とは?【ことばの解説】
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脚注
この記事を書いた人
kyo9557
(ファイナンシャルプランナー/知的財産管理技能士)
雇ってもらって働かないと生活が成り立たない、富裕層と労働者階級のグレーゾーンに位置する40代夫婦の片割れ。
「労働者の常識」と「お金持ちの常識」とを併せ持つ強みを活かし、家計管理・投資・ライフプランニングの専門家として情報発信を行っています。
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