[02] お金教

ソクラテスが目指した最強の人事評価システム ~吟味編(2)~【想像仮説】

このページは、生活者経済学で扱う想像仮説1ソクラテスが目指した最強の人事評価システム」について、批判的に吟味する記事になります。

人の価値をはかる!?

(1) 批判的吟味の概要

人の価値をはかる。

知見が集積された現代では、なかば禁忌(タブー)とされることです。

にゃむーん

なぜ、ソクラテスは禁忌を犯そうとしたのかにゃ!?

山本英夫、ホムンクルス(6)、pp203/226

「あそこで、パンを食ってる会社員・・・・・・」
「!」
「最高でも6000万円。」
「んあぁ!?」

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しかしその禁忌は、日本の官僚たちの夢でもありました。

しかし当時の労働省の労働統計調査局長だった金子美雄は、部下の楠田丘にこう言ったという。

(中略)だから、仕事で決める賃金は日本には無理だよ。
〔日本に向いているのは〕その人の価値で決める賃金だ。

そこで楠田が「じゃあ、人間の価値はどうやって決めるんですか」といったら、
「それはこれからの労働省の大きな課題だ」と金子は答えたという。

引用元:小熊英二、日本社会のしくみ~雇用・教育・福祉の歴史社会学~ 第2章「日本の働き方、世界の働き方」、pp135/589/強調および改行は引用者による

(2) 優生学

人の価値をはかる。

その禁忌は、かつて優生学という学術体系にまとめられていました。

国際優生学会ロゴ
国際優生学会ロゴ2

それは、悪質の遺伝形質を淘汰し優れた者だけを次世代に残そうという思想を基にしていました。

しかし、その論理的破綻が明白になり禁忌となったのは、20世紀に入ってから。

にゃむーん

当然、ソクラテスの時代は禁忌ではなかったにゃ~~。

周辺知識(Wikipedia)
優生学 | Wikipedia
優生学 | Wikipedia

Wikipedia、2025.12.31閲覧

(3) 優生思想批判

サイヤ人社会(架空の優生主義社会)

ソクラテスが描いた「優生主義国家アテナイのあるべき姿」は、サイヤ人社会のようなものだったと想像します。

にゃむーん

サイヤ人社会は、漫画家鳥山明による「DRAGONBALL」で描かれる架空の社会ですにゃ。

鳥山明、DRAGONBALL(19)、pp164/189

「サイヤ人は生まれてすぐ戦士の素質を検査される… そのときの数値が低いクズ野郎がきさまのようにたいした敵のいない星へ送り込まれるのだ…ようするにきさまは落ちこぼれだ……」

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ライバル国スパルタが、まさにこういう社会だった・・・らしい。

わるたん
周辺知識(ブログなど)
じつは古代ギリシャで猛威をふるっていた「優生思想」…「スパルタ」は優生思想で滅びていた…! | 現代新書
じつは古代ギリシャで猛威をふるっていた「優生思想」…「スパルタ」は優生思想で滅びていた…! | 現代新書

千葉聡、現代新書、2025.12.6閲覧

「戦闘力」のロジックエラー

「DRAGONBALL」に登場する「戦闘力」は、当時の少年たちを魅了するものでした。

にゃむーん

わかりやすい!からだにゃ~。

しかし不都合にも、落ちこぼれの孫悟空は主人公で、超エリートのベジータは悪役だったのです。

「そのおかげでオラはこの地球に来れたんだ感謝しなきゃな それによ……落ちこぼれだって必死で努力すりゃエリートを超えることがあるかもよ」

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「落ちこぼれ」が、「超エリート」を超えるようなことがあっては、「戦士の素質検査は、信頼できない」となってしまうのです!

どらん先生

論理的破綻「戦闘力のコントロール」

孫悟空は勝ち、ベジータは負けました。

すなわち、戦闘力の「人間価値評価尺度」としての信頼性は崩壊しました。

えらいこっちゃ。

わるたん

その後の「戦闘力」は、物語の論理的破綻回避のため、変容していきます。

やがて画期的能力「戦闘力のコントロール」が登場します。

鳥山明、DRAGONBALL(21)、pp122/190

戦闘力のコントロールを だ!!!!」

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この技術の登場により、物語の論理的破綻は回避されたのですが・・・

「戦闘力」は人事評価尺度としての機能を完全喪失したのでした。

同時に、ポータブル人事評価装置「スカウター」も、その役目を終えたのです!

どらん先生
鳥山明、DRAGONBALL(17)、pp46/189

「くくく・・・」(ピッ)(えらく威勢がいいな・・・」
「ほう戦闘力322 こんなやつもいたのか だが しょせんオレの敵ではない・・・」

※右側のキャラクターが装着してるモノグラスがスカウターです。

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ま、最強の人事評価システムなんて作るのはムリってことだな。

わるたん

(4) 人格評価・人間性評価は危うい

知見が蓄積された現代では、人事評価は危険な思想に繋がることがわかっています。

最強の人事評価システムは、ぼくには作れない!

そう悟ったソクラテスは、時代を数千年先行していたと言えるのです!

どらん先生

正しい人間・正しい人生

漫画家福本伸行は、「正しい人間」を、このように批判します。

福本伸行、天-天和通りの快男児-(18)、pp130/348

「正しい人間」とか「正しい人生」とか… それっておかしな言葉だろ…?」
「ちょっと深く考えると 何言ってんだか分からないぞ………!」
「気持ち悪いじゃないか…正しい人間………」
正しい人生なんて…!」
「ありはしないんだって…そんなもの元々…!」

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個人の正義にすぎない

漫画家藤子・F・不二雄は、人の価値をはかることを、このように批判します。

わが子・スーパーマン

「そんなのはどこまでいっても個人の正義にすぎん。いつかどこかで社会と対立するもんだ。」「しかし………しかし…」

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まとめ

この記事で唱える仮説

1.ソクラテスは、その危険性が知られていなかったので、人の価値を量ろうとしました。

文献

この項目は広告を兼ねています。

引用文献

ホムンクルス

DRAGONBALL

日本社会のしくみ-雇用・教育・福祉の歴史社会学-

天-天和通りの快男児-

わが子・スーパーマン

参考文献

マンガで読む名作 ソクラテスの弁明

1940年体制 さらば戦時経済

脚注

  1. 「想像仮説」とは、「おそらく、このような事実があったのであろう」など、ライフハックのバックボーンとなる発想ではあるが、学術的根拠が十分でない、仮説というには大胆すぎる個人的見解を指す造語です。 ↩︎
  2. File:Eugenics congress logo.png - Wikimedia Commons、パブリックドメイン ↩︎

この記事を書いた人

にゃむーん

kyo9557
(ファイナンシャルプランナー/知的財産管理技能士)

雇ってもらって働かないと生活が成り立たない、富裕層と労働者階級のグレーゾーンに位置する40代夫婦の片割れ。
「労働者の常識」と「お金持ちの常識」とを併せ持つ強みを活かし、家計管理・投資・ライフプランニングの専門家として情報発信を行っています。

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