この記事では、AccountThinking.net(AT.net)で用いる用語「普遍的価値」の解釈について、意味・背景・感じられやすいポイントをロゴス記法🄬により紹介1します。
厳密な学術定義の網羅は目的としていません。
AT.netの解釈
10秒解説
普遍的価値とは、変わらない価値のことです。

哲学者池田晶子は、このように述べます。
本当の価値は、いつどこでどんな時でも同じ変わらない価値でなければならない。
なぜなら、変わるもので変わるものを導くことはできないからだ。社会や時代や状況とともに変わってゆく人生を、正しく導くことができるのは、変わらない価値だけだ。
大事な人生を導くことができるから、価値は価値だといえるんだ。
引用元:池田晶子、14歳の君へーどう考えどう生きるか、pp167(紙書籍)/強調および改行は引用者による
AT.netの整理
観念的な価値
AT.netでは普遍的価値を、観念的な存在として整理します。
「プラトニック・ラブ」みたいなものか?
普遍的価値は存在するか?
大賢者ソクラテスは、次のような答えを出しました。

これが有名な「無知の知」なのです!
普遍的価値のジレンマ
イラストレーター井上純一は、普遍的価値の存在に警鐘を鳴らします。
「考えてもみてよ もし人類に『絶対的価値を持つもの』ってのが発見されたら……」
「絶対的価値様以外は価値がねー!!! 燃やせ燃やせー」(ゴオオオオオオ)
「絶対的価値様を生み出さない人間は不要な人間だー!!!! 殺してもOK!!」「簡単にこういう未来になると思わない?」「あーなりそう……」
いっぽう、わたしたちは、普遍的価値が存在するべきだとも考えます。
なぜなら、普遍的価値がないと困るからです。
「宗教とか道徳とか立派な衣をかぶせているが 中身は客観的な判断を拒否し自分の感情による判断を押し付けようとしているだけなのです!」
「それは原理とも呼べない代物です なぜならあなたの感情が社会の基準だと言うなら あなたは社会にとって敵だからです!」
「また各自が己の感情に従えばいいと言うなら人は善悪の判断を下せないし 人と議論することも出来なくなるからです!」
ソクラテスの出した「答え」
このようなジレンマの中、彼の「答え」は今でも現役の指標のひとつと言えるでしょう。
詳しく読む!
関連語
対義語&上位分類
対義語は個人的価値(personal value)です。
そしてAT.netでは、個人的価値と普遍的価値をあわせて「価値(value)」と整理します。

下位分類
下位分類として「使っても減らない価値」「使うと減る価値」「保存できない価値」を整理します。

ことばの歴史・背景
(1) 学術的背景
普遍的価値は、古典派経済学用語「交換価値」を基礎に置いています。
ちょっぴり学術!
(2) なぜ造語を使うのか?
ニュアンスを更新したかったから
経済学用語「交換価値」には、物の固有値とのニュアンスがあります。
「存在するのは、物に対する個人の解釈(interpretation)だけである」とのニュアンスを与えたいので、AT.netでは造語を用いることにしました。

事実というものは存在しない。
存在するのは解釈だけである。
ちょっぴり学術!
概念「価値」が変化したから
アダム・スミスの時代、価値(value)と価格(price)の間には、現代のような意味のへだたりは無かったようです(想像仮説5)。
21世紀の「価値」の概念に合うよう、AT.netでは造語を用いることにしました。
ちょっぴり学術!
まとめ
この記事でわかること
1.普遍的価値とは、変わらない価値のことです。
文献等
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脚注
- Sting、File:Socrate du Louvre.jpg - Wikimedia Commons、表示-継承 2.5 一般、解像度のみ変更 ↩︎
- アダム・スミスは「経済学の父」と呼ばれる人物ですが、当時はまだ「経済学」という学術分野はなかったため、あえて「哲学者」と表記しました。 ↩︎
- File:AdamSmith.jpg - Wikimedia Commons、パブリックドメイン状態 ↩︎
- File:Nietzsche1882.jpg - Wikimedia Commons、パブリックドメイン状態 ↩︎
- 「想像仮説」とは、「おそらく、このような事実があったのであろう」など、ライフハックのバックボーンとなる発想ではあるが、学術的根拠が十分でない、仮説というには大胆すぎる個人的見解を指す造語です。 ↩︎







